【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら
「沙耶、本当にごめんなさい。アレンにあてつけるみたいに優吾を利用して」
こじれにこじれていた私たち。マリカさんの気持ちがわかる気がして、私は小さく首を振った。
「いえ、私も彼の隣に立つことに不安があったんです。それをマリカさんのおかげで、自分の気持ちを見つめることができました。なので……感謝もしてますよ」
確かにマリカさんに振り回され、不安になったのも事実だけど、いろいろ自分を見つめるいい機会になった。
「沙耶、お人よしすぎよ」
マリカさんは少し照れたような笑みを浮かべながら、私を見た。
「ほら、せっかくの味噌汁が冷めるぞ。本当にこれは絶品だな」
「うん、すごくおいしい。このナスが特に」
優吾君の言葉に私も同意すると、二人は顔を見合わせた後、朝食を食べ始めた。
まだすぐに二人の関係がどうにかなるようなことはないだろうし、お互い兄妹として生きてきた中で、複雑で難しいこともあると思う。
それでも、どうにか幸せになれるといいな。
そう思いながら、私は和やかに朝食の時間を過ごした。
次はいよいよ結婚式だ。
優吾君は「そのままでいい」と言ってくれるけど、少しでも彼の役に立てるような人間にならなければ。
そう決意して、波乱もあった旅行は最後には楽しく幕を閉じた。
番外編 End


