【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら
「沙耶、お昼行こう」

友里の少し大きな声にハッとし、時計を見てから首をくるりと回した。

「もうこんな時間だったんだ……」

「本当に、集中すると沙耶は時間を忘れるよね」

くすりと笑った友里の言葉に、私も笑顔を向けた。

「ほら、沙耶。その笑顔、男の人にも向けなよ」

二人で並んでエレベーターに向かいながら、友里がため息交じりに私を見る。

「いいの。私はこれで」
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