【2025.番外編＆全編再掲載】甘い罠に溺れたら

手早く栄養ドリンクやあのころ食べていた栄養補助食品とチョコレートに缶コーヒーを購入すると、そっとフロアにもどりこっそりと部長のデスクに置いた。

昔は写真を撮りだすと食べるのを忘れていたが、今はそれが仕事になったのだろう。
そんな事を思いながら、ギリギリで自分の席に戻り安堵した。

そんなことをしてしまった事の言い訳を自分で見つけたかったが、ただ心配だったからそれだけだったように思う。きっと佐伯部長が昨日私を放置できなかったのと同じことだと自分に言い聞かす。

今日はあのミネラル―ウォーターの契約をすべく、オーストラリアとのネット会議がある。
こんな事に気を取られていてはいけないと、私は自分で言い聞かせながら、もう一度最終チェックと、先方から問われるだろう質問事項の確認を始めた。