【2025.番外編＆全編再掲載】甘い罠に溺れたら

「羽田さん。今日の会議の準備は大丈夫？」
気にかけて声をかけてくれた、水田先輩の言葉に私は頷いて答えた。

「はい。大丈夫だと思います」

「そっか、昨日も遅くまでやってたみたいだし、顔色も良くないけど……」
これは昨日眠れなかったからとは言えず、私は曖昧な表情を見せた。

「佐伯部長との仕事大変？厳しい？」

「いえ、そんな事はないです。大丈夫です」
何を必死に否定してるんだろう？慌ててポーカーフェイスを決め込むが、水田先輩はフッと息を吐いた。

「そっか。ならいいけど。佐伯部長はあれだけ仕事が出来る人だから、羽田さんにも無理をさせないか心配だったんだ。それに……」

それに？何？