【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら


話すタイミングをすっかり失ってしまった私は、黙々とうどんを口に運んだ。

「ここいい?」
やっぱりというか、水田先輩と部長は私たちの所にくると、友里に話しかけた。

「もちろんどうぞ」

にこやかに言った友里を小さく睨むが、そんな事お構いなしに友里は4人掛けの机の開いている椅子に置いてあったカバンを自分の方に置いた。

部長がそこに座るかと思ったが、上から意外な言葉が振ってきた。

「羽田、お前もここ開けて」

「え?」
うどんをなんとか口に押し込むと、慌てて私も自分の隣に置いてあったカバンを机の下においた。

てっきり、私の隣には座りたくなくて、友里の隣に座ると思っていたのに、当たり前のようにその席に座った部長に、私は内心驚きを隠せなかったがそんな事言えるはずもなく、だまってうどんを見つめた。
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