【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら

「また二人でくるのよ」
リサさんの言葉に、私たちの関係に気づいたのかなと少し思う。

「はい」
返事をした部長の隣で、私は否定も肯定もすることなく少し微笑んで頭を下げた。

帰りの車の中で、また首を撫でていた。

「大丈夫ですか?疲れてますよね」

「なんで?」
チラリと運転しながら私をみた部長は、不思議そうな顔をした。

「それ」

「え?」


「昔から、疲れたり、食欲がおちてきたりするといつも首を撫でていた事、気づいていなかったんですか?」


てっきり自覚があると思っていたが、部長は「あ、本当だ」そう言って首から手を離すと、くるりと首を回した。

「まあ、日本に帰ってきたばかりだし、結果を出さないといけないしな」
そう言って小さくため息をついた部長に、私も小さく頷いた。

「でも、部長がきてから部内が明るくなったし、士気もあがってますよ」

「そう言ってもらえると嬉しい」
そう言って嬉しそうに笑う部長は、やはりあの頃と変わってないと思った。
いつもサークルの中心でみんなの気を配っていた部長を思い出す。
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