凛々しく、可憐な許婚
「姉さん、尊さん、お邪魔しました。あの,,,またゲームしに来てもいいですか?」

翌朝、咲夜の父の秘書である松浦がマンションまで真那音を迎えに来た。

「いつでもおいで」

そう言う尊の横で頷く咲夜を見て、真那音がホッとしたように息をついた。

続いて、玄関で靴を履いていた真那音は思いついたように顔をあげて言った。

「あ、そうだ。尊さん、僕でよければ何でも協力しますので、何かあったら連絡ください」

そう言って、スマホのSNSツールを開く。

御曹司の真那音は、安全のために位置情報取得目的でスマホを持たされている。

もちろん小学生なので、もろもろのセキュリティロックがかかっているし、SNSも保護者が許可した人物としか連絡できないようにしている。

「姉さん、SNSのロック解除して、尊さんの連絡先を追加してくれる?」

頷くと、咲夜と尊が互いにスマホを操作して、連絡先を追加していく。

「ありがとう。また来るから」

二人は手を振りながら何度も振り返る真那音と、お辞儀をして去っていく松浦を見送った。
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