主任、それは ハンソク です!
side-THOGO 俺のイチオシ

「とりあえず、その辺に適当に座っててくれ」

 そう言いながら、彼女をリビングに通した。
 戸惑いながらも、部屋の大半を占めるソファの一番端に彼女がちょこんと腰かけた。

 ―― あれ。なんか可愛い、小動物がいる。

 自分の大柄なサイズに合わせて揃えた家具は、どれも日本人にはオーバーサイズな海外の製品ばかりだ。そこに、それでなくとも小柄で華奢な彼女が埋もれるかのように座っている。しかも、男性の部屋に来るのが初めてだという彼女は、とにかくここが珍しくてしょうがないのか、きょときょととあちこちを見回している。

 これを “ 可愛い小動物 ” 以外に何と表現すればいいのか、俺はそれ以上の語彙を持ち合わせてはいない。

「この荷物、いいか?」

 彼女の足元に置かれたボストンバッグを手に取ると、奥の部屋へと向かう。すると、背後からパタパタと、何か可愛いものがついてくる気配がする。

 つい口元が緩みそうになるのを、ぐっとこらえた。

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