主任、それは ハンソク です!

「今日は、本当にたくさん、沢山たくさん主任から言葉をいただきました。一つ一つ思い出せるほど、どれも、私にはとても嬉しい言葉ばかりで、だからそのどれを指してい、る」

 頭で考える前に、体が勝手に動いていた。

 腕の中の華奢な体が小さく震えている。怖がらせてしまっただろうか。なるべくこれ以上は怯えさせないように、彼女の耳元で囁くように聞いてみた。

「うれしい、って、どれも?」
「……は、はい」

 だめだ。抱える腕に、更に力が入ってしまう。

「じゃあ。見合いの席の終盤で、俺が言った、言葉も?」
「……しゅう、ばん」

 彼女の呟くような声に浮かれる、も。
 そうだ。お見合いの終盤といえば、嫌なことを思い出した。

 怒り任せで殴りかかる爺さんをみんなで一斉に止めに入って、それでもまだ暴れるもんだから、俺が背後から更に抑えにかかったその時。ヤツの振り回す拳が偶然、俺の顔面に直撃した。

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