主任、それは ハンソク です!
「主任、お米かごはんってあります?」
彼女の様子が少し変わった。どうやら仕事モードに入ったらしい。
「確かレンチンのごはんがあったはずだが」
キッチンの上戸を開けると、一パックだけレトルトごはんが顔を出す。
「これ、お茶碗二杯分ですね」
パッケージの表示を見ながら彼女がそういうと、間髪入れずに、ご飯、おかわりされますか? と聞いてくる。
普段のおずおずとした彼女も良いが、このモードの彼女も頼もしくて素敵だ。
夜も遅いからそんなに量は入れたくない、と伝えると彼女は笑顔で頷いて、その辺に捨て置かれていた “ 清住 ” の刺繍ネーム入り社用エプロンを手に取ると、テキパキと手慣れた所作で料理を始める。
そうして見る間に件のカツ達は、カツ丼ならぬ『カツ皿』に化けた。
「丼にするにはご飯が足りそうになかったので、お皿に乗せておつまみにしましたけど、よかったでしょうか?」
俺よりも先に、俺のお腹が元気よく返事をしたから、思わず二人で笑ってしまった。