主任、それは ハンソク です!

 いいや何でもない、続けてくれ、と私を促すと、またしても真剣な眼差しで目の前の書に見入る主任の横顔は、先の清住さんとはまた違って、精悍な大人の色気みたいなのものを感じる。

 女子社員が口をそろえて『眼福』と言って憚らない意味が、私にもぼんやりとだけれどわかったような気がした。

「よし、早速アタリを作るから、デジカメとって来てくれ」
「はいっ!」

 私は備品庫に駆け出していた。

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