主任、それは ハンソク です!

 ん? でもまって。

「……あの、今朝、先輩が聞いてきたのは、土曜の朝の事でしたよね?」

 うん、そうよぉ、と先輩は指先をしゃぶりつつ、つらりと返事する。

「でも、今の話は日曜の事ですよね?」

 ふふふ、とどす黒い笑みで先輩が嗤った。

「だーかーらっ、誰も、一緒の女性とは言ってないでしょ?」

 もしかして、修羅場の内の一人、かも?
 いや、また違う人かも、しれない。そうか、それであの“彼女の一人や二人、それ以上”発言が出てくるのか……。

 ふいに、ものすごく自分が馬鹿らしく感じてきた。私と主任はただの上司と部下ってだけで、それ以上でもそれ以下でもない。ほんとにそれだけの関係。

 ……そう、それだけ、なんだけど、も。

「なぁに? すっごい大きなため息ついて」

 久住先輩が意味深な笑みでこちらを見ている。私、そんな大きなため息、ついてたのか。

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