主任、それは ハンソク です!
「……いえ。なんか、都会の人はすごいな、って思っちゃって」
今のは我ながらうまく返せたと思ったんだけど、やっぱり久住先輩には通用しなかったみたい。
思い切り、ふふーん、とまた奇妙な笑いを浮かべつつ、先輩はアイスシェイクをずずりとすすった。
「ま、得野ちゃんも、遊ばれないよう注意しなよ?」
「まさか。さすが未だに名前も覚えられない相手と、主任がどうこうなりたいとか思ってるわけないじゃないですか」
私は苦笑しながらも、饒舌に返事した。
* * *
「おっ、来たか。おはよう」
朝。販売促進部室のドアを開けると、いつものあっけらかんとした口調で主任が振り向いた。
「お、おはよう、ござい、ます」
すっかり主任は不機嫌なままだと思っていたから、なんだか思い切り肩透かしを食らった気分だ。