主任、それは ハンソク です!
「あ、あの、色別の3案は、いかがでしたか?」
「ああ、どれも好評だったぞ」
ふぅ、と思わず息をはいた。主任の交友関係云々もそうだけど、それと同じくらい昨晩の私を脅かしていたのが、件のデザイン懸案だ。
「で、どれもいいから、全部採用することになった」
「は?」
主任がニヤリと笑う。普段の大人っぽい雰囲気とは違う、少し子どもっぽい笑み。
「部門別のキャッチに使えそうだなと思ってな」
「……そういう、使い方もあるんですね」
そうか、何も一つだけとは限らないんだ。思わずつぶやく私に、そうそう、とこれまた楽しそうに腕組みして主任が頷いた。
「担当バイヤーも上層部もみんな驚いてたぞ。実はとんでもない原石、知らずに抱えこんでいたのかっ、て」
今の主任の満面の笑顔に、私の頭がにわかに混乱する。