主任、それは ハンソク です!
「あの、えっと、な、なるべく、大声は、その」
ああ、そっちか。と主任が独り言ちる。
「極力気を付ける。キヨスにも散々言われてるしな」
まるで決意表明のような口調で、どうにもなんだか調子が狂う。
「いえ、そんな。できればで、いいですから……」
「できればとか、そこでいきなりハードル下げするのはダメだぞ」
俺がそれに甘えるだろうが、と口をとがらせた。
「俺は傍から自分にも他人にもストイック、って思われてるらしいが、そんなことないぞ。普通に自分には、甘い」
……そう、なの?
「この厄介な大声は、俺自身も直さなきゃいけないって、わかってるのに、ずっと放置してきた問題だ」
だから、この際だからビシバシやってくれ、と主任が私に笑いかける。でもなんか、ちょっと、苦しそうな笑顔。