主任、それは ハンソク です!

「……俺ってさ、人前に出ると」

 主任が焼酎のボトルに手を伸ばす。

「意識してても、つい、声を張ってしまうんだよな。……もうこれは、癖みたいなもんかな」
「くせ、ですか」

 そうだな、とつぶやくとボトルの口をきゅっと開けた。グラスへなみなみと注がれる焼酎に、何となく視線を合わす。

「俺さ、昔から体だけは無駄にデカくて、妙に目立つらしくてな。……まぁ、それだけってわけでもないけど、クラス代表だの生徒会長だの部長だのと、とにかく、代表とか長っていうのに駆り出される事が多くて」

 グラスの氷が涼し気な音を立てて揺れた。

「子どもの頃はさ、俺はそういう器なんだ、みんなの上に立って守る人間なんだって、当然のように思ってた。まぁ、周囲の、親とか親類縁者、先生とかから受けた刷り込み、みたいなもんなんだろうな。でもな、高校の頃かな。実は全然そういうのに向いてないって、ほんと、ある日突然、気が付いた」

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