主任、それは ハンソク です!

「例えば、どんな?」

 少し逡巡する。

「私、虫が苦手なんですけど、外の授業の時に捕まえた虫を見せつけて追っかけてきたり、クラス発表会の時に女子みんなでそろえたリボン、私だけ外されて棚の上に放られて、止めてって言ったら、それを真似されて……」
「それ、いつ頃?」
「小学生、です」

 冷めきった軟骨唐揚げを口に運びながら、なるほどね、と主任が返事した。

「もちろん、泣いたりして?」

 はい、と気まずく私は返事する。

「小さい頃は、大声上げて泣いたりしてましたけど、さすがに小学校に入ると、ぐっとこらえて、でもつい、涙、出ちゃったりして……」

 主任は髪をぐしゃりとかき上げると、あーそれはなー、と思い当たることでもあるのか、思い切り苦笑してる。

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