主任、それは ハンソク です!

「人間ってさ、自分に無いものに惹かれやすいだろ。ほら、あれだ。学校一のすごいヤンチャ野郎が清楚な眼鏡美人のクラス委員長とくっつく、みたいな」

 今一つピンとこないから、思わず首を傾げると、主任がうーんと唸りだした。

「お前さんの場合、悪目立ちするヤツからすると、陰キャに見える反面、淑やかにも見える」
「いえ、それは無いですよ?」

 いいや、絶対あるね、と、主任がちょっとムキになった口調で言う。
 ……もしかして、実は酔ってきた?

「まぁ、あれだ。似たような色味の連中とつるむと、違う色って際立つんだよ。だからって浮く、っていうのとも違う」
「……はぁ」

 なにやら、またしても主任が俺ワールドに迷いこんでいるらしい。思い切り困惑する私に、助け船よろしく二杯目の梅サワーが置かれた。店員さんに軽く会釈する私を見て、主任がまたクスリと笑う。
 
 でも、今のはなぜか嫌な感じはしなかった。

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