主任、それは ハンソク です!

「俺は逆に、そいつらの気持ちが痛いほどわかるけどな」
「痛い、ほど、ですか」

 ああ、と言うと、またしてもグラスを煽る。主任の喉仏が上下するのを物珍しさに、ついじっと見てしまう。

「最初はさ、まじめな子を崩してやりたくて、ちょっかいかけるんだけど、無視されたり嫌がられたりするうちに、ついムキになって、気づいたら嵌ってるっていう感じ、かな」
「はまる、ですか」

 うん、と主任が頷いた。

「ミイラ取りがミイラ、じゃないけどな。特に、ちょっと乱暴粗暴系や目立ちたがりなアクティブ系からの絡みが多かったんじゃないか?」

 なんでそんなにわかるんだろう。私がこくりと頷くと、ああ、やっぱりな、と主任が笑う。

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