主任、それは ハンソク です!

 ……は?

「ん? どうした?」
「はっ、あっ、え?」

 ニヤリ、と不敵な笑みで主任が私を見る。

「どうだ、間違ってないだろ?」

 慌てて胸ポケットを見るけれど、もちろん社外だから名札なんて付けてるわけがない。しかも名札は苗字だけ、だ。

「苗字はあれだけど、名前はもう完全にインプットしたぞ」

 そういうと主任は自分のスマホを私に向けた。
 そこには、黄色い乗り物の後ろに男性四人が並んだ賑やかでポップなイラストの待ち受け画面が、でんと貼りついている。

「学生の頃はコイツらばっか聞いててさ」

 洋楽に興味の無い私ですら良く知ってる、海外の伝説的なバンド。でも、それと私の名前、どうつながるんだろう。

「こん中のメンバーの嫁さんと一緒なんだよ、名前が」

 そういえば、そんな人もいたような……。

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