みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
「ええ、理事長の言う通りです。あたしは精霊を統べる精霊女王に間違いありません」

はあ・・・・・・と軽く息をつく

バレてしまった─────いや、元からバレていたと言った方がいいか

どちらにせよ、さっさと帰らなきゃな

「今から帰ります・・・・・・・お世話に、なりました」

帰ろう、とベンチから立ち上がった時

「美愛さん」

引き留められた

「理事長?」

「美愛さん・・・・・・あなたはここにいなくてはなりません」

「いや、あたしはもうここにいるわけには・・・・・・」

「手遅れ、なんですよ」

「手遅れ?」

不可解な言葉をリピートし、あたしは理事長に問う

「何が、手遅れなんですか?」

「神の怒りが最高潮に達しています。このままでは、魔法界は崩壊してしまう」

「怒りが・・・・・・?魔法界が崩壊?!」

とても平和とは言えないじゃねえか!

「どういうことで?」

「私たち魔法界の言い伝えの一つです。『精霊女王が魔法界に降り立つ時、魔法界は神の怒りにより崩壊の道を歩むだろう』と」

「あたしが・・・・・・魔法界に来たら?」

「ええ、なんの事かはさっぱりわからないのですが」

あたしは、こっち側に来た当初のリーナを思い出す

慌てぶりが、尋常じゃなかった

もしかして、これを知っていたからか?!

「な、なら尚更帰らなければ・・・・・・」

「無駄ですよ。既に神は魔法界から精霊界へと繋ぐ道を閉じていることでしょう」

「そんな・・・・・・っ」
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