エリート弁護士と婚前同居いたします
「明日の休日は茜のご両親に挨拶に行くから。それから婚約指輪を選びに行って、後日俺の両親に会ってくれる?」
コホン、と小さく咳払いをして、どんなときも段取りが完璧な彼がよどみなくスケジュールを話し出す。
ちょ、ちょっと待って! 私の両親って……。
「お、大阪まで行くつもり!?」
言いたいことはたくさんあったけれど、驚きで口にできたのはそれだけだった。
輝く笑顔で彼が自信たっぷりに頷く。
「もちろん。茜のご両親には御約束したし、侑哉とお姉さんも来てくれるから。あ、婚約指輪は梅田で選ぶ?」
完璧な手筈に言葉が出ない。
本当に、先回りが上手すぎる。この人には驚かされっぱなしだ。
「俺の両親は早く茜に会いたがってるんだけど……茜? なんで笑ってるの?」
思わずクスクス笑ってしまった私に、彼が怪訝そうに尋ねる。きっとこれからも私はこの人に驚かされるのだろう。だけどそれが嫌じゃない。だって私に同棲を提案してくれて、断り続ける私を諦めずにいてくれたから。
あなたが守り続けてくれた私たちの帰る場所。ふたりでこれからはそこを守れますように。
コホン、と小さく咳払いをして、どんなときも段取りが完璧な彼がよどみなくスケジュールを話し出す。
ちょ、ちょっと待って! 私の両親って……。
「お、大阪まで行くつもり!?」
言いたいことはたくさんあったけれど、驚きで口にできたのはそれだけだった。
輝く笑顔で彼が自信たっぷりに頷く。
「もちろん。茜のご両親には御約束したし、侑哉とお姉さんも来てくれるから。あ、婚約指輪は梅田で選ぶ?」
完璧な手筈に言葉が出ない。
本当に、先回りが上手すぎる。この人には驚かされっぱなしだ。
「俺の両親は早く茜に会いたがってるんだけど……茜? なんで笑ってるの?」
思わずクスクス笑ってしまった私に、彼が怪訝そうに尋ねる。きっとこれからも私はこの人に驚かされるのだろう。だけどそれが嫌じゃない。だって私に同棲を提案してくれて、断り続ける私を諦めずにいてくれたから。
あなたが守り続けてくれた私たちの帰る場所。ふたりでこれからはそこを守れますように。


