君と永遠に続く恋をしよう
「あの…」


目の前にやって来た人の顔を凝視して、思わず肩に力が入る。
この際だから何でも聞いてやると身構える私に、彼は微笑みを浮かべながら声を発した。


「緒方奈央さん、俺は、君に届けられた恋人なんです」


「は?」


一瞬聞き間違えたかと思う様なセリフを言った彼は、流石に自分でも恥ずかしかったらしく、かぁ…と顔を赤く染めると咳払いをして、薄い唇の端を若干引攣らせて続けた。


「だから、恋人なんだよ、君の」


ハッキリと発音する彼の声を聞き、(何言ってんの!?)と直ぐに思った。

でも、目の前にいる超絶イケメンは、照れ臭そうにしながらも極めて真面目そうな表情で私を見下ろしていて、今言ったことが嘘でも冗談でもありませんよ…といった雰囲気で立っている。

だけど、それをまともには受け止めらない私は、ブフッ…と吹き出しそうになりながら、つい訊ね返してしまった。


「あの……ひょっとして、夢でも見てますか?」


寝言か何かですか?という感じで訊き返すと、イケメンな彼は少しムッとしたように唇を尖らせた。


「夢ならもっといい女に告るよ」


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