君と永遠に続く恋をしよう
「あいつに好きだと言われて困惑するなんて、だったら俺がキスした時はどう思ったのかな」


耳元で囁く言葉に心臓が加速しだす。
まさか、此処でキスはなんてしないよね…と顔を上げると、唇が寄ってきたから慌てた。


「さっ…」


くらばさん…と名前を呼ばさない様に唇が重なり、私はそれを受け入れながら動悸を感じた。



(どうして…)


どうしてこんなキスくらいで力が抜けていくんだろう。
妙に安心してあったかくて、気持ちいいと思うのはどうしてだろう。
彼とはまだ会って数回なのに、どうしてこんなに胸が弾むの……。


ゆっくりと離れていく彼の顔を見たまま胸の鼓動を聞いてた。
顔を見てると微笑まれて、それに気づくと恥ずかしくなって顔を背けた。


「信じらんない。家の前でするなんて」


彼氏でもないのに…と言おうとしたが、それを口にすることは難しかった。


私は自分でも嫌になるくらい満たされたものを感じてた。
桜庭さんの腕に包まれて、怖さが溶けて無くなってた。


あの時、彼にこうして欲しかったんだ。
今みたいにキスされて、安心感を得たかった……。


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