君と永遠に続く恋をしよう
桜庭さんはまだ首を傾げたまま私を見てる。
その視線を感じると更に気恥ずかしさが増してきて、流石に言い出す気力も失くなってしまった。


「……もういいんです。ちょっと好みを知りたかっただけだから」


気にしないで下さい、と頼んで食事に集中。

大振りのエビが入ったグラタンはホワイトソースも濃厚で、エビの身もプリプリしてて美味しくて、(最高!)と思いながら噛み締めて頂いた。


食後に桜庭さんは、コーヒーを淹れて持ってきてくれた。

白くてスタイリッシュなカップに入ったブルーマウンテンは香りが良く、砂糖も入れずに飲んでもちっとも苦味がなくて芳ばしい。


(うーん、これもいい感じ)


スーッと鼻で吸い込んでから、はぁー…と思いきり息を吐く。

それを二、三度繰り返すと、すっかり気分がリラックスしてきて、さっきまで思い出してた兄や明日香さんのことも忘れていきそうになり、慌てて(まずい!)と気持ちを引き締め直した。


「……あの、さっきの話に戻るんだけど」


口を開くと、彼はちらっとこっちを見遣り、「へぇー、戻るんだ」と茶化してくる。


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