君と永遠に続く恋をしよう
今日も降りそう…と窓の外を見遣る。
雪なら降っても不安はないけど、雨にはどうも嫌な思い出しかない。


降水確率は何パーセントだったっけ…と思い出そうとしてた。
でも、その不安を払拭してくれる様な人が、控え室の中に飛び込んできた。


「奈央ちゃん、おめでとー!」


角川さんは自撮り棒を片手に写真を撮ろうと寄ってくる。
私は彼女の明るさに助けられながら微笑み、皆でワイワイと燥ぎながらカメラの中に収まった。


「っもう、年が明けたと思ったら、急に結婚するとか言って招待状手渡してくるし、それまでのあの態度は一体何だったのよぉ!」


私よりも先にお嫁に行ってー、と訴える角川さんに、すみません…と頭を下げる。

まさか自分でもこんなに着々と事が運ぶとは思わずにいて、先走って話してしまうと、幸せが全部逃げ出てしまうんじゃないかと不安だった。


「結局、お兄さんの遺言通りになったって訳よね」


角川さんはそう言って頷く。
「あの日は衝撃的だったわー」と初対面の日のことを持ち出そうとするもんだから慌てて、「もう言わなくてもいいです!」と言葉を遮った。


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