君と永遠に続く恋をしよう
「話は済んだの!?あの人何者だった!?
やっぱり知り合い!?奈央ちゃんの恋人だとか言ってたけど、いつからそんな関係なの!?
ひょっとして、許嫁とか、そういう関係なの!?」


捲し立てるように訊く角川さんの声に生返事を返し、「ちょっと考えさせて下さい」と願った。


どうも話の流れからして、彼は私の恋人として自分を認めてしまったみたいだ。

だけど、それを言い出した兄は既にこの世にはいなくて、言い出しっぺが居なくなった今、それをもう果たさなくてもいいんじゃないのか。



(しまった。さっきそう言えば良かった)


あまりにも相手が美形すぎて、眺めてばかりで呆然としてしまってた。
もっと、兄が言ったことなど忘れて下さいとプッシュして、お参りだけで結構です、と伝えれば良かった。


(どうするの、この状況。あの人、またこのオフィスに来るのかな)


来たら今度は何と言って断ったらいいんだろう。
兄の遺言なんて忘れて、ご自由に恋愛して下さいって願えばいいのか。


(…ってかさ、あの人、あんな素敵なのに彼女とかいないの!?)

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