君と永遠に続く恋をしよう
そんな人がこのオフィスに来る訳ないでしょ、と内心でつっこみを入れ、何とか笑みを作りながら「こんにちは」と挨拶した。



「……は、初めまして」


初めて会うんだから初めましてでいいよね…と自信もないから振り返る。


「…ああ、そうか。初めましてなんだ」


どうも…と挨拶を返す彼は、まるで初めてじゃない雰囲気で笑った。


(ちょっと〜、笑顔もすごく素敵なんだけど〜!?)


何者〜?とますます頭の中が混乱。
こんなイケメンにお目にかかったこと、これまで絶対にないと思う!


「ところでさ、一ノ瀬社長にアポ取ってあるんだけど」


ポヤンと考えてる私はもういいみたいな雰囲気で、男性は角川さんに用件を伝えた。


「桜庭が会いに来たって言ってくれる?」


「あ、はい。桜庭様ですね」


スケジュール管理表を片手にアポを確認した角川さんは、慌てて秘書室に連絡を入れる。


「社長にご面会です。桜庭様と仰る方がロビーにいらしてます」


そう話すと上がって貰って、と返事があったみたい。
内線の受話器を置いて彼に向き合い、最上階へどうぞ…とエレベーターを指し示した。


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