君と永遠に続く恋をしよう
「どうも」


小さく頭を下げる相手は、私達の前から立ち去ろうとして踵を返す。…でも、前に進む足を止めて振り返り、明らかに私を見定めてこう言った。


「後で話があるからその場に居て下さい」


「えっ!?」


「じゃあまた後で」


そう言うと、さっさとエレベーターに向いて突き進む。
その背中では黒い円柱ケースが揺れていて、私の体は、角川さんが両手でぶんぶんと揺すってて……。



「ねぇねぇ聞いた!?話があるって!」


大興奮の角川さんには悪いけど、私は彼と話なんて何もない。


「ねぇ、奈央ちゃん!あの人って誰なの!?」


何度訊ねられても、「さあ」としか答えようがない。


「すみません。誰だかサッパリ知りません」


ひょっとしてストーカー?なんて、あんな超絶イケメンが私を追っかける訳がないか。


「知らない人なの!?本当に!?」


「本当です。絶対に会ったこともない人です!」


自信タップリに答え、相手も初めましてと言ってたでしょ?と説明すると、角川さんも納得したように「そうか…」と呟く。


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