俺様社長の溺愛~大人の恋を指南して~
というのは嘘で、二日酔いで頭がガンガン…

自分の悲鳴に悶絶する。

「大人しく寝なさい」

そう言うと、私をぎゅうっと抱き締めて、また眠りについたのは。

「社長…なんで」
「しーっ」

私の唇に人差し指を当てた社長は、まもなくして、規則正しい寝息をたてはじめ、やっぱり私は夢の中でいるのかもしれないと、社長の体にしがみついて目を閉じた。

…。

「…いつまで寝てる?もうお昼だぞ、結愛」
「…ん、んー」

何とか開けた重い瞼。

霞んでいた相手の顔が、鮮明になると、飛び起きた。

あー、でも、頭がガンガンする。

私は頭を抱える。

「飲みすぎだよ、結愛」

そう言ったのはエプロン姿の瑞樹?!

そして横で寝ているのは、上半身裸の社長だった。

どうしてこんなことに?

っていうか、ここはどこ?

「…あの…ここは?」

私の問いに、二人の声が揃った。

『俺達の実家』

「なんで、こんなことに?」

頭を抱えたまま、問いかける。

「瑞樹が」「良樹が」

『結愛を離さないから、やむを得ずここに』

…私は苦笑いするしかなかった。
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