俺様社長の溺愛～大人の恋を指南して～
タオルを借りた私は、顔を洗って、リビングに顔を出すと、社長に連れられダイニングのテーブルまで行き、座らされた。

そしてまもなくすると、湯気のたつ、出来立ての味噌汁が置かれた。

私はキョトンとしつつ、顔をあげると、瑞樹はニコッと笑って。

「二日酔いには、味噌汁が一番。それ飲んで」
「これ」

「俺の手作り。口に合うかはわからないけど」
「薬より、瑞樹の味噌汁の方が、直ぐによくなる」

瑞樹の言葉にフォローするように、社長が言った。

…二人は仲が悪いのかと思っていたけど、そんな事は全然なくて、本当は、とても仲が良いんだと、改めて思った。

「いただきます」

私が飲むのを、二人で見つめる。

「…美味しい」

率直な感想を述べれば、二人して笑顔になった。

…もしかして、二人の仲を悪くさせてるのは、私なんじゃないか？

…もしかしなくても、確実にそうなのかもしれない。

味噌汁を飲みつつ、二人を観察すれば、本当に仲が良い。

「兄弟っていいですね」

と、呟けば、お互いの口からそんな事ない！と、声が揃う。

それがまた、なんともおかしくて、クスクスと笑ってしまった。
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