皇帝陛下の花嫁公募
 短銃も発明された世の中で、今更、弓が得意という人間はそんなに多くない。しかし、アマーナリアでは弾薬節約のため、あまり銃は使われないのだ。そのせいで、娯楽も兼ねて弓の練習をするのが、アマーナリアの王族や貴族の間で流行っていた。

「判りました。では、明日の最終試験、その弓の腕前を披露していただきます」

「えっ……」

 リゼットは驚いたが、もしかしたらそれを訊くための面接だったのかもしれないと思った。


 それで面接は終わりで、リゼットは部屋の外に出た。今日はもう帰っていいということで、大広間の隅で待っていたナディアと落ち合う。

「いかがでした? 今日の試験は?」

 ナディアに尋ねられて、リゼットは別室で言われたことを話して聞かせた。

「それぞれ得意なことを披露するってことですか。うっかり嘘をついちゃった人は大変ですね」

「そうね……。悪気なく、自分をよく見せるために嘘をついた人もいるかもね」


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