皇帝陛下の花嫁公募
 祖父の家に着いてから二週間後、盛大な結婚式が行われた。

 ヴァンダーンという大帝国の皇帝が結婚するのだ。国中から要人が招待され、帝都は一気に賑やかになった。

 宮殿はこのために準備に時間をかけたようで、豪華な飾りつけがされ、たくさんのおいしい料理が作られた。ヴァンダーンは隣国とよく小競り合いをしているので、お祭り騒ぎのわりには人の出入りに厳しく、業者は特に調べられているようだった。

 そんなことを何故リゼットが知っているかというと、テオが護衛のこともあって、結婚式の進行について詳しく聞くために宮殿に出入りしていて、そういったことを見聞きして、教えてくれたのだ。

 結婚式の表側だけ見ていると、とても華々しく思えるが、ヴァンダーンはやはり完全に平和というわけではないのだと感じる。

 アンドレアスが軍服を脱ぐことが少ないのも、そういうことだ。

 いつ何時何があっても、すぐに軍隊を指揮する可能性があるのだろう。

 アマーナリアは貧しい国では会ったが、誰にも見向きもされないので、戦乱に巻き込まれる心配だけはなかったのだ。

 国が豊かになればいいことだらけだと思うのは、間違いなのかもしれなかった。
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