皇帝陛下の花嫁公募
 結婚式に出席する父王と祖父とその愛人は、先に宮殿に向かっていた。

 リゼットは朝から湯浴みをして髪を洗い、丁寧に乾かしてから、母妃も手伝ってくれて花嫁衣装を身に着けた。

 白いドレスには金色の刺繍がたくさん施されていて、とても豪華だ。刺繍以外の飾りがないため、洗練されていて、上品な仕上がりとなっている。

 そして、裾とベールが信じられないくらい長い。これは絶対、一人では歩けないようになっていた。後ろで裾とベールを持ってくれる人がいなければ無理だ。

 今朝、宮殿から贈られてきた花束を持ち、厄介な裾とベールと共に馬車に乗り込んだ。

 帝都の街並みもずいぶん見慣れてきたが、結婚したら、そんなに気軽には見られないだろう。少しつまらないが、そんなことより、しばらくは皇妃としての務めを学ぼうと思っている。

 宮殿の門が開き、馬車が中に入っていく。

 敷地の中には大きな礼拝堂があり、皇帝の結婚式はそこで行われることになっていた。馬車はその前に停まり、リゼットは母妃とナディアと一緒に控室へと入った。
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