皇帝陛下の花嫁公募
 リゼットの質問に、一瞬だが女官長は動揺した顔を見せた。

「公爵夫人はお疲れのようですのでお休みになっておられます」

「それなら、お見舞いに伺いたいわ。どちらにお住まいなの?」

「いえいえ、とにかく今日はおよしなさいませ。お疲れなんですから!」

 女官長は狼狽えながら立ち上がり、頭を下げると、さっと部屋を出ていった。

「どうやら黒幕は公爵夫人というわけですか」

 部屋の隅に控えていたナディアが口を開いた。

「そうらしいわね。たぶん今まで皇妃という立場の人がいなくて、公爵夫人が代わりに宮殿の細かいところを仕切っていたらしいわ。ところが、わたしが来たものだから、地位を奪われるような気がしているんでしょうね」
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