皇帝陛下の花嫁公募
リゼット達は夜になってから宮殿の裏門へ向かった。
この潜入については、リゼットを守ってきてくれた側近達には知らせている。祖父には黙っていくが、それは仕方のないことだ。どうせ祖父はリゼットのアンドレアスを守りたい気持ちなど理解しようとはしないからだ。
危険なことをするなんて馬鹿馬鹿しいと思うかもしれない。
でも、わたしにとっては馬鹿馬鹿しくないのよ。いつも真剣なんだから!
リゼットはとりあえず動きやすい少年の格好をしていく。裏門の門番はもちろん見とがめたが、すぐに帽子を取って顔を見せる。
「わたしよ。リゼットよ」
「皇妃様! ど、どうなさったんですか! アマーナリアにお帰りになったのでは?」
「アンドレアスが命を狙われているのに、宮殿を離れるわけにはいかないわ! わたしはアンドレアスから帰れって追い出されたけど、陰から彼を守るつもりなの」
門番はなるほどと頷いた。
「陛下も皇妃様を心配なさって、故国にお帰しになったんでしょうがね。ですが、皇妃様のお気持ちはよーく判ります! どうぞお入りください。でも、くれぐれも気をつけてくださいよ」
「判ったわ。ありがとう!」