皇帝陛下の花嫁公募
「もし子供の世話が上手くできなかったら……花嫁候補から外されるのですか?」

「試験はこれだけではありません。後で挽回できる可能性はあります」

 たちまち、そこら中から安堵の声が聞こえてきて、リゼットは驚いた。

 身分の高い女性というのは、自分の子供を乳母に預けっぱなしにして碌に世話をしないものなのだろうか。わざわざ皇帝がそんな試験方法を考えたくらいだから、そうなのだろう。

 そして、ここにいる娘達は子供の世話をしたことがないようだ。

 母妃は乳母に頼りきりではなかったし、リゼットは長女で、弟妹達の面倒を見てきた。農作業をしていたときも、よく子供と遊んだりしていたのだ。

 でも、そうしてきて本当によかった!

 マナーも一応学んできたし、王女らしいことはできるつもりでいたが、自分の話す言葉に少し訛りがあると指摘されて、急にそういったことに自信をなくしていたのだ。だが、子供の世話なら得意分野だ。

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