皇帝陛下の花嫁公募
 五人ずつ出てきて、自由に遊んでいる子供達の傍にそれぞれ近づいていく。何をしていいか判らず、オロオロしながら声をかけている人もいれば、それなりに自分も屈んで、子供と遊ぼうとしている人もいる。

 一番小さな子供はまだ這い這いをしているが、その子には誰も近づこうとしなかった。泣かれては大変だということだろうか。

 一人、おとなしく可愛らしい女の子がいて、その子を人形みたいに膝に乗せている人がいた。本人は満面の笑みだったが、肝心の子供の顔は強張っていて、よそのほうを見ていた。

 子供を使った試験なんて可哀想……。

 皇帝の意図は理解できるが、そのために連れてこられた子供達が気の毒だった。時間が経てば、何かと構ってくれた人は何も言わずにその場を離れ、別の人がやってくるのだ。

 そのうち、だんだん子供達が疲れたのか機嫌が悪くなってきて、子供同士の喧嘩が始まったり、泣いたりする子も現れる。すると、相手をしようとする大人達も苛々してくる。

 こんなの、公正な審査じゃないわ。
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