MちゃんとS上司の恋模様
化けの皮を脱いだ私は、いつもの調子で主任に嫌みったらしく言ったあと、そっぽを向いた。
すると頭上からクツクツと主任の笑い声がする。まったくもって不愉快だ。
顔を歪めていると、私の頭に触れていた主任はポンポンと二回優しく触れたあと、手を下ろす。
「とにかく、お前が使えるということは把握済みだ。その能力を隠して、辺り触りなく過ごそうとするのは許さないぞ」
「は、はぁ……そんなに言ってもらえるほどじゃないと思いますけどねぇ」
小さく呟いたのだが、主任の耳にはしっかりと届いてしまったようだ。
須賀主任は腕組みをし、威圧的な態度で私を見下ろした。
「とにかく、だ。お前には俺の補佐的な仕事にも関わってもらう」
「!」
以上だ、それだけ言うと須賀主任はすぐに仕事に取りかかり始めた。
反論したいことは山ほどある。だがしかし、私の抗議など須賀主任に言ったとしても決定事項は変わらないだろう。わかっているから尚更腹が立つ。
グルリと周囲を見回すと誰もが同情したように私を見つめているが、須賀主任に反論できる強者はいない。
ガックリと項垂れて自分のデスクに戻ったあと、今まで自分がやっていた仕事の内容をピックアップして書き出していく。
さて、この量を後輩である年上のお姉様方に振り分けなくてはいけない。
今まで以上に仕事量は多くなる。それも私は違う仕事に掛かりっきりになってしまうため、手伝うことは困難になるだろう。ますます頭が痛い。
あれこれ考え悩んでいる私に、隣に座っている宮間さんが声をかけてきた。