MちゃんとS上司の恋模様



 呆気にとられながらも、宮間さんと須賀主任のやりとりを傍観する。

 もし宮間さんの頑張りが通じ、須賀主任の補佐役をご免できれば万々歳だ。
 しかし、あの須賀主任である。それも『鬼軍曹』という恐ろしいあだ名を持つ人だ。
 そんなに簡単に事が運ぶだろうか。

 疑問を抱いていると、宮間さんは肩を落として戻ってきた。

 声をかけるのを躊躇してしまうほどの落ち込みぶりに躊躇してしまう。
 宮間さんは戸惑う私を見たあと、大きく息を吐き出した。

「ダメだった……っていうか。ううん、私はもういい」
「へ……?」

 あれだけ意気揚々としていたのに、数分後にこんなに意気消沈するだなんて思わなかった。

 目を丸くしている私の手を、宮間さんは両手でギュッと握ってきた。
 その目はなぜか憐れみの感情が込められている気がしてならない。

 口元をひくつかせていると、宮間さんはなぜか涙目になっている。一体どうしたというのだろう。

「み、宮間さん?」

 恐る恐る声をかけると、彼女はギュッと唇を噛みしめた。

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