MちゃんとS上司の恋模様



「チンタラやっていたら、いつまで経っても終わらないぞ?」
「……」
「今日は徹夜コースでもいいのか?」
「うるさいですよ! 須賀主任。集中しているんですから、静かにしていてください!」

 噛みつかんばかりの勢いで食ってかかると、須賀主任は不敵に笑った。

「よく言う。俺のこと穴が開くほどジッと見つめていたくせに」
「なっ!」

 一気に身体が熱くなる。一度は須賀主任に視線を向けた私だったが、すぐさま顔を背ける。
 確かに須賀主任に見惚れていた。だけど、それを認めたくはない。

 真っ赤になっているであろう顔を隠しながら、どう反撃をすればいいのかと考える。
 すると、須賀主任は持っていたファイルをデスクに置いて私に向き直った。

「お前になら惚れられてもいいぞ」
「は……?」
「俺のこと、好きになってみるか?」
「はぁぁぁぁぁ!!?」

 私の叫び声がオフィス内に響く。

 幸い、オフィス内には誰も残っておらず、私のマヌケな叫び声を聞かれずに済んだ。
 慌てて口を押さえてみるものの、すでに叫んだあとだ。遅すぎる。

 より一層真っ赤になっているであろう顔を両手で隠しながら、須賀主任を睨みつけた。

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