MちゃんとS上司の恋模様



「お前だ、麦倉真琴」
「!」
「お前はもう少し周りを見ろ。人を観察しろ。表に出ている感情の裏も見て、疑うということを覚えろ」
「はぁ!?」

 どうしてそこまで言われなくてはいけないんだ。

 私は口を歪めて須賀主任を睨みつける。
 須賀主任の冷静沈着ぶりに怒りを覚えたあと、ピンときて頷く。

 先ほど私が言ったことは、きっと図星だったのだろう。だから苦し紛れに喧嘩をふっかけてきたのだ。
 全くやることが子供じみている。
 私は腕組みをして、須賀主任を見てニヤリと笑った。

「とっかえひっかえしていたこと、図星ですね? ふふふーん、弱みを私に握られたからと言って、子供みたいなこと言わないでください」
「子供はどっちだ、バカ」
「バカって言った方がバカなんです!」
「それこそ、子供だな」

 はっきりいって低レベルな喧嘩だ。
 まさか鬼軍曹とこんな言い合いをすることになるとは思ってもいなかった。

 私は女子社員の皆様に言ってやりたい。これはもう警告した方がいいだろう。
 須賀主任は危険人物だ。見かけだに囚われることなく、とにかく気をつけてくれ、と言いたい。

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