不器用な彼女
二人で何か言葉を交わしている。

その直後、詩織は佐原に抱きしめられていた。




「あ…」

二人まで数メートルの距離。先に佐原が俺に気付いた。くっついたまま固まる二人。

見たくないものも見てしまった。



「邪魔したな」

呆然とする詩織の横を通って車に戻る。
「待って!」と詩織の声がしたけど、振り返らずに車を発進させた。


何度も携帯が鳴る。詩織からの電話だ。

あの場所でまさか会うとは思ってなかったんだろう。詩織の驚いた顔を思い出す。


気になって、会いたくて、謝りたくて行ったのに、詩織は佐原に抱きしめられていた。そういう仲って事なのか?



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