不器用な彼女
「色っぽいなんて…言われた事ないですよ!社長の方が色っぽいですよ〜!社長はもうオジサンの域なのに…私負けてます。。。あ、でも、25になったから突然色気が湧いてきたんですかね? 」

ってアホな事言ってる。“オジサン”扱いが気に入らないが。。。

「俺には大人の色気ってのがあんだよ。お前の色気は…気のせいだったわ」

「ひどーい!」

そんなくだらない話で笑う。



「私…社長の事好きなんですよ? 顔怖いし、背も高くないし、態度大きいし、厳しいし、髪もボサボサだし、ヒゲもボーボーしてるし…。あと、片付けとか適当だし、無理な仕事振ってくるし、タバコ臭いし…」


“好き”発言に一瞬ドキッとしたものの、その後の言葉に好かれているのか嫌われているのか、悪口なのか分からなくなる。

一通り椎名の悪口を言ったと思ったら、今度は机に伏せて寝息を立て始めた。

さっきまで普通に喋っていたのに。いきなりのスイッチOFF。

「おい、こんなとこで寝るなよ」

詩織に声は届かない。



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