不器用な彼女
酔っ払いはひとまず放置し風呂に向かう。
体を湯に沈めると滝のように湯が溢れる。

さっき目にした色気、腕を組まれた時の胸の柔らかさを思い出す。今まで色気なんて詩織から感じた事などなかったのに、今日はドキドキさせられてばかりだ。



「起きろ。風邪引く」

部屋は暖房で暖められ暑いくらいだが、かといってダイニングテーブルに伏せたまま寝ている詩織を放ってはおけない。

「おい!」

酔っ払いは中々起きない。


伏せて寝ている詩織の体勢を整えるとダイニングチェアから抱き上げた。

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