不器用な彼女
伸び放題の髪はいつもピンで留めたりゴムで縛ったりだったのに、爽やか短髪に変わっていた。
髭も綺麗に剃られていて一美の言う通り別人になっている。

(か…格好良い…)

見惚れてしまう。


「社長!絶対その方が良いですよ!爽やかイケメンに見えるー!普段からそうだと良いのにー。これで口が悪くなきゃもっと良いと思うんですけど〜」


一美はいつもそんなノリ。
思った事を何でも言って、それが許されちゃうキャラクター。私には言えない事をズケズケと。社長は眉間にシワ寄せてる。



「詩織チャン、社長が格好良くなりすぎて目がハートになってる?」

一美がニヤニヤと詩織の顔を覗き込んだ。

「いや、あのっ、違う!」

「違くないでしょー!」

余計な事は言わないで欲しい!

少しだけ社長は照れた様子で、でも、「木村、インフルで休んだ分の仕事、取ってあるから」と大量の書類を一美のデスクにドサッと置いた。

「病み上がりなんですからね!」

「そんだけ騒げれば大丈夫だ」

社長はキーキー騒ぐ一美を見て笑ってる。
爽やかイケメンになったせいか、意識してしまってるせいか、いつもより格好良く見えて詩織は社長から目をそらせた。






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