二番目でいいなんて、本当は嘘。
すずは仔猫を抱きながら、スマートフォンで自分の写真を撮影しだした。
やはりやっていることは、今どきの若者風である。

なかば呆れながらその様子を見ていると、
「私と薫、どんな関係かって思ってるでしょ」
とすずが私のほうに向き直り、ニヤリと笑った。

「いえ、私は別に……」

心の内を覗かれていようで、ドキッとした。
けれど、ポーカーフェイスでやり過ごす。

「婚約者」
「え?」
「婚約者なの。私たち」
「……え?」

戸惑う私の顔を見て、島本すずは愉快そうに「ふふふ」と笑う。
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