二番目でいいなんて、本当は嘘。
私にばかりのろけ話を聞かされるのにうんざりしたようで、すずも早々に、猪狩さんと付き合っていることをカミングアウトした。

猪狩さんが猫を引き取るときに言っていた〝彼女〟というのがじつはすずで、貰われていった白い仔猫は『アレックス』という名前を付けられ、いま、ふたりのもとで暮らしている。

そして、ときどきこうして仔猫を連れてきてくれるので、私の淋しさもすぐに吹き飛んだというわけだ。


――薫さんが、私にたくさんの幸せを運んできてくれたような気がする。

怖いくらいに、今の自分は満たされていた。
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