二番目でいいなんて、本当は嘘。
スーツを身に着け、髪の毛をゆったりとうしろに流している薫さんは、やはりとても端正な顔をしていた。

切れ長の目もと、まっすぐな鼻梁。
少し頬骨が出ていて、頬がやわらかそうなところがなんとなくかわいい。

手が大きくて、ちょっと武骨で、でもナイフとフォークを操る手つきはスマートで。

引き締まった唇から発せられる声は低くて甘く、いつだって私を幸せにしてくれた。


もし男の子だったら、薫さんに似てほしい。
女の子でも、きっとかわいいだろう。


そんな想像をしていたら、なんだか涙が込み上げてきた。
妊娠のせいか、最近どうも涙腺がゆるい。
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