二番目でいいなんて、本当は嘘。
「もう目は開いているようですね。見たところ元気そうですけど、念のため獣医さんに診てもらったほうがいいかもしれません。このあたりに動物病院は……」

「今、秘書が探しているはずです」

駐車場の端で、秘書らしい男性がスマートフォンを手にしているのが見えた。


私は、シズクを拾った日のことを思い出した。

それは、今日と同じような小雨の降る日だった。
とにかく体温が下がらないようにと湯たんぽをつくり、仔猫用のミルクをあげたっけ。
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